梅干しの白いものはカビ?塩の結晶やクエン酸は水に溶け、綿毛状なら白カビ、梅2kgに食酢200~400ccの対処など5つのポイント

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梅干しの瓶を開けたとき、表面にうっすら白いものが付いていて、「これってカビ?」と手が止まったことはありませんか。せっかく漬けた梅干しや、大切に取っておいた梅干しを捨てるのはもったいないですよね。でも、もしカビだったら食べるのは心配です。

この記事では、南高梅の産地・和歌山県田辺市の紀州田辺うめ振興協議会の「困ったときのQ&A」、田辺市の梅干しメーカー中田食品のコラム、農林水産省の「食品のかび毒に関する情報」などをもとに、梅干しに出る白いものの見分け方と、カビが出たときの考え方を整理しました。調べてみると、サイトによって少しずつ言い方の違う点もあったので、その違いもあわせてお伝えしますね。食べられるかどうか迷ったときは、無理をしないことがいちばん大切です。

目次

梅干しの白いものは、塩の結晶やクエン酸のことが多い

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まずは、白いものの正体として多いものから見ていきます。産地の協議会もメーカーも、白いもの=すぐにカビ、とは考えていません。どんなときに、何が出てくるのかを知っておくと、慌てずに確かめられます。

干しているときの白いものはほぼ結晶で、塩分が高いほど出やすい

紀州田辺うめ振興協議会のQ&Aには、「干しているうちに梅の表面に白いものが出てきました。カビでしょうか?」という質問がありました。答えは、塩の結晶やクエン酸である場合が考えられる、というもの。さらに、干しているときにカビが生えることはほとんどありません、とも書かれています。

同じQ&Aでは、天日干しをする理由として、強い日光にさらすことでカビや酵母の繁殖を抑え、水分が少なくなって長期保存できるようになる、と説明されていました。干している最中はカビにとって育ちにくい状態なので、そのときに出てくる白いものは、塩やクエン酸と考えてよいということでしょう。

中田食品の公式Xでも、梅干しの表面についた白い粉は、カビではなく塩やクエン酸の結晶であることがほとんど、と発信されていました。和歌山の別の梅干しメーカー、梅樹園の公式Xも、白っぽいものは塩やクエン酸の結晶が析出していることが多い、ただしカビの可能性もゼロではない、と書いています。「多い」けれど「必ず」ではない、という言い方がそろっているのが印象的ですね。

かわしま屋のコラムでは、白い物質がポツポツした固い斑点なら、塩分やミネラルの結晶かもしれない、と説明されていました。乾燥して水分が抜けてくると塩が結晶化しやすく、梅干しのクエン酸と天然塩のカルシウムが結びついて、クエン酸カルシウムとして結晶になることもある、とのこと。塩分の高い梅干しで結晶化しがちだ、とも書かれています。

Xを見ると、「祖母が漬けた梅干しには四角い塩の結晶がついていた」という思い出話がいくつも見つかりました。2019年に仕込んだ梅干しの中で塩の結晶が育っていて、いちばん大きいものは長辺6mmくらいある、と写真つきで投稿している人もいます。昔ながらの塩分の高い梅干しでは、結晶はめずらしいものではないのかもしれません。

紀州田辺うめ振興協議会は、塩の分量を梅の20%(小梅は18%)にするのが無難だとしています。中田食品の賞味期限のコラムでも、梅と塩だけで作る塩分の高い白干梅には賞味期限が設定されていない、と紹介されていました。結晶が出るような梅干しは、そもそも長く保存できるタイプの梅干しだ、と考えることもできそうです。

見分け方は、水に溶けるかどうかと見た目

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では、目の前の白いものが塩なのかカビなのか、どうやって確かめればよいのでしょうか。どの情報源にも共通していたのは、「溶けるかどうか」と「形」の2つでした。家ですぐにできる方法なので、順番に見ていきましょう。

水に溶ければ塩やクエン酸、綿のようにふわふわならカビ

紀州田辺うめ振興協議会のQ&Aでは、塩の結晶やクエン酸の場合は水に溶けるけれど、カビの場合は溶けない、と書かれています。いちばんわかりやすい見分け方は、白いものが溶けるかどうかを見ることですね。

ただ、使う水については、情報源によって少しずつ書き方が違いました。協議会は「水に溶ける」、中田食品のカビのコラムは「一度お湯につけてみるのがおすすめ」、かわしま屋は「熱湯をかけて結晶が溶けるようであれば、カビではない」としています。梅樹園の公式Xも「一度お湯をかけてみてください」と書いていました。冷たい水よりもお湯のほうが塩は溶けやすいので、迷ったらお湯で試すと判断しやすいかもしれません。

笹川ゆきこさんのブログでは、白いものを少しすくって水に落としてみる方法が紹介されていました。すっと溶ければ塩、溶けずに残れば塩ではない、という切り分けです。梅干し全体にお湯をかけると味が変わってしまうので、まずは白いものを少しだけ取って試す、というやり方なら気軽にできますね。

見た目でも、ある程度は見分けられます。中田食品のコラムでは、塩の結晶は見た目がツブツブしているのが特徴で、ふわふわした白い綿のようなものはカビの可能性が高いので破棄してください、と書かれていました。同社の賞味期限のコラムでも、塩のかたまりも白く見えるが、白カビは綿毛状なので形状から見分けられる、と説明されています。

かわしま屋のコラムは、さらに細かく4つに分けていました。ふわふわとした綿のような白いものはカビ、固い白い斑点はミネラルの結晶、容器の底にたまる白いものは澱(おり)、梅酢の表面に張る白い膜は濁り、というもの。カビは触ると指先にまとわりつく感じがあり、緑や黄色が混じることもあるそうです。

笹川さんのブログでは、匂いも手がかりになると書かれていました。塩の結晶なら梅と塩のいつもの匂いのまま、白カビは湿った押し入れのようなかび臭さがする、という説明です。形、手ざわり、匂い、溶けるかどうか。いくつかを組み合わせて確かめると、思い違いを減らせそうですね。

容器の底の白いものと、梅酢の表面の白い膜

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白いものが出る場所は、梅の表面だけではありません。保存容器の底や、漬けている途中の梅酢の表面に白いものが見えることもあります。場所によって正体と対処が変わるので、分けて見ておきましょう。

容器の底の「澱(おり)」と、梅酢の表面の白い膜

中田食品のコラムによると、保存容器の底に白いものが見られる場合は、澱(おり)の可能性があります。澱とは、ポリフェノールやタンパク質など、梅の成分が溶け出て沈殿したもの。カビと違って体に悪影響を及ぼすものではないので、澱があっても問題はない、と書かれていました。

見分けるときの目安として、カビは空気に触れやすい場所に発生し、澱は容器の底に発生する可能性が高い、という説明もありました。かわしま屋のコラムでも、ほかに異常がないのに瓶の底にだけ白いものがある場合は澱と考えられる、としています。ただし、瓶全体が白っぽくなっていたり、梅酢が白く変色していたりする場合は、澱ではない可能性があるそうです。

紀州田辺うめ振興協議会のQ&Aには、保存して数か月後に梅から水分が出てきた場合は、純粋な梅エキスなのでそのまま置くと味がまろやかになる、という答えもありました。容器の中で起きる変化には、心配のいらないものも多いということですね。

漬けている途中の梅酢の表面に、薄い白い膜が張ることもあります。中田食品のコラムでは、これを「濁り」と呼び、放置すると梅干しの味が落ちたり、カビが生えたりする原因になるので、見つけたらすぐに取り除くことを心がけましょう、としていました。

かわしま屋のコラムでは、この白い膜は産膜酵母という酵母菌の一種で、主に自家製梅干しを漬けている最中に発生する、と説明されています。梅が液にしっかり浸かっていないと、液に触れていない部分に出やすいとのこと。消毒したスプーンでそっと取り除き、白い膜がついた梅は取り出して、涼しい場所で様子を見る、という対処が紹介されていました。

紀州田辺うめ振興協議会のQ&Aでは、梅酢が上がってきたときに梅が表面に出ないくらいの重さのおもしが必要だ、とも書かれています。梅の重量が1~2kgまでは同じ重さ、2~10kgまでは2kgのおもしが目安とのこと。梅が梅酢から顔を出さないようにすることが、白い膜やカビを防ぐことにもつながりそうです。

中田食品のコラムでは、カビが生える原因として、用具の除菌不足、塩分濃度の低さ、水分が切れていないことの3つを挙げていました。特に梅のヘタがあった部分は水が溜まりやすいので、ヘタを取ってから洗うのではなく、洗ってからヘタを取るのがおすすめだそうです。容器については、金属やアルミ、プラスチックは塩分や酸の影響で成分が溶け出したり腐食したりする恐れがあるため、ガラスやホーロー、ジッパー付きの食品用袋を使うよう書かれていました。

カビが出たときの対処と、食べるかどうかの考え方

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ここからは、本当にカビだった場合の話です。漬けている途中なのか、できあがった梅干しなのかで、考え方が少し変わります。情報源によって表現が異なる部分もあったので、公的な情報もあわせて確認しておきましょう。

漬けている途中は取り除いて食酢を、カビた梅は食べない

紀州田辺うめ振興協議会のQ&Aでは、カビが発生してきたときの対処として、カビを静かに取り除いて食酢を加えるよう案内しています。量は梅2kgで200~400cc程度が目安です。梅酢が濁っている場合は、梅を取り出して流水で洗い、梅酢は新しいもの(市販品や昨年漬けた梅酢など)で漬け直すことをすすめていました。

今の梅酢を使い直すときは、ひと煮立ちさせたあと冷ましてから使う、とのこと。容器も洗って熱湯消毒し、ポリ容器の場合は酢を含ませた布などで拭く、と書かれています。中田食品のコラムでも、カビを取り除いたあと梅酢を鍋で煮沸し、十分に冷ましてからろ過し、保存容器も洗ってアルコールや熱湯で消毒する、という手順が紹介されていました。

ただし中田食品は、梅酢を覆うほどたくさんのカビが発生している場合や、青カビや赤カビが発生している場合は、もったいないですが全て処分することをすすめています。天日干しの途中で雨に濡れたときは、食酢でさっと洗って梅酢に戻し、天候が落ち着いてから干し直す、という協議会の答えも覚えておくと役立ちますね。

カビが生えた梅を食べてよいかどうかについては、情報源によって表現に違いがありました。かわしま屋のコラムでは、少しだけ白カビが生えている程度なら、すべてを捨てる必要はなく、傷んだものだけ取り除けばよい、という書き方をしています。一方で中田食品のコラムは、白カビは毒性を持つ場合もあるので口にするのは避けてください、としていました。

農林水産省の「食品のかび毒に関する情報」では、食べ物にかびが生えてしまったら、もったいないと思っても食べずに思い切って捨てましょう、と呼びかけています。かびの中には、かび毒のように健康に悪影響を及ぼす物質を作るものがあり、かび毒は熱に強いものが多く、ゆでる、焼くなどの通常の調理条件では分解しない、とのこと。参考として、かびが生えた切り餅を顕微鏡で見ると、かびが無いように見える部分にも菌糸が伸びていた、という写真も紹介されていました。

この記事では、農林水産省の考え方にそって、カビが生えた梅そのものは食べないことをおすすめします。取り除く手当ては、ほかの梅を守るためのものと考えておくと安心です。

梅干しの白いもの、5つのポイントをおさらい

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最後に、ここまでの内容を5つのポイントにまとめます。瓶を開けて白いものを見つけたら、このリストを思い出してみてくださいね。

覚えておきたい5つのこと

1つ目は、白いものの多くは塩やクエン酸の結晶だということです。紀州田辺うめ振興協議会によると、干しているときにカビが生えることはほとんどありません。塩分の高い昔ながらの梅干しほど、結晶が出やすいようです。

2つ目は、溶けるかどうかで見分けることです。塩やクエン酸は水に溶け、カビは溶けません。メーカーのコラムではお湯で試す方法がすすめられていて、白いものを少し取って試すと梅干しの味を変えずに済みます。

3つ目は、形と匂いです。つぶつぶして固いものは結晶、綿のようにふわふわしたものはカビの可能性が高い、とされていました。容器の底にたまる白いものは澱で、体に害はありません。

4つ目は、梅酢の表面の白い膜は早めに取り除くことです。放っておくと味が落ちたり、カビの原因になったりします。梅が梅酢から出ないよう、おもしの重さも確かめましょう。

5つ目は、カビが出たときの手当てです。漬けている途中なら、カビを静かに取り除いて食酢を加え、量は梅2kgで200~400ccが目安。カビが生えた梅そのものは、農林水産省の考え方にそって食べないようにしましょう。

カビを出さないための予防も、協議会のQ&Aにまとめられていました。塩は梅の20%(小梅は18%)で漬けるのが無難で、塩を少なくするとカビ(酵母)の原因になるそうです。減塩の梅干しが好きなら、白干梅を作ってから、必要な分だけ塩抜きする方法がすすめられていました。塩抜きした梅干しは冷蔵庫に入れ、7日程度で食べきるのが目安です。

できあがった梅干しは、密閉ビンやポリ袋に入れ、乾燥しないように口をしっかり締めて保存すると書かれていました。保存してすぐに梅から水分が出てきたときは天日干しが足りないので、軽く干し直すとよいそうです。

白いものを見つけても、慌てて全部捨てる前に、まずは確かめてみること。それでも迷うときは、無理に食べないこと。この2つを覚えておけば、梅しごとをもっと気楽に楽しめるはずです。

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この記事を書いた人

梅干しや梅仕事の基本、料理への活用法を調べ、家庭で試しやすく紹介する編集部です。

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